「億万長者の不況に強いセールス戦略」
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白井敬二
(件名:小さな会社のマーケティング入門の要約希望 、本文:氏名)
億万長者の不況に強いセールス戦略
【序文】
ダンはまず現状の4つの問題点を挙げています。以下のようなものです。
1、 店舗の数が多すぎる。
これはダンが例として挙げている、スターバックスだけでなく、オンラインショップでも同じことです。何しろ、ネットには膨大な数の店舗が存在しています。そして、多くが休眠状態です。
2、 似たり寄ったりのブランドが多すぎる。
ダンは車業界の例を挙げ、似たような車種をあえて開発する意味が本当にあるのか、と疑問を呈しています。二番煎じでも売れるとわかっているものを売る、という業界スタンスが自らのアイデンティを犠牲にしていると指摘します。それは、ネットショップでも何ら違いはありません。
3、 みな、モノを持ちすぎている。
確かに、大量消費時代を反映して、テレビ、パソコン、ゲーム機、車、と人々はモノを買いまくっています。業界もここぞとばかり大量生産し、売りまくりました。その結果、モノが売れなくなっているというジレンマに陥っています。
4、 セールスマンシップが地に落ち、サービスの質が急速に低下している。
バブル時の行き過ぎた投資の煽り、お粗末なセールス、無能な営業マン、行き当たりばったりの経営、劣悪なカスタマーサービスと、セールスマンシップの低下の例は挙げれば切りがありません。
これらは、ダンが2010年頃に指摘している内容ですが、今の日本にもそのまま当てはまることが多いのに驚かされます。ダンはこの状況を「ニューエコノミー」と呼び、顧客側の態度の変化も指摘しています。それは以下のようなものです。
1) (購入の際の)決定権を顧客が取り戻している。
2) 平凡でありふれた製品、サービス、技術、経験は顧客に受け入れられない。
3) 顧客はより賢明になり、信用に足る購入相手を見極める。
4) 顧客は自らのニーズ、関心、欲求にカスタマイズされた商品・サービスを求める。
ダンがこの「億万長者の不況に強いセールス戦略」改訂版を出版した理由は、上記のような市場の変化に対応できるセールスピープル(95%のマネーを手に入れることのできる覇気に満ちて、最も学ぶことに熱心な)を生み出すためです。ダンのことばです。
「この本はあなたが、最高の収入、最高の安心、最高の独立と力、最高の地位を教授できるあのエリート集団のメンバーになり、その地位をキープできるようにすることを意図している。(中略)この本は、30年以上にわたって私が開発した最も重要な戦略を要約したものである」。
ただし、ダンはとことん「実践家」です。この本はあなたのセールスに役立つことを「願った」ものでもなければ、セールスについての学問的な理論でもありません。「真」に役立つこと、つまり、あなたが読後に、あなたの行ってきた行動や手順をより効果的なものに変えることが目的なのです。何のために? あなたがより多くの収入を得るためです。それ以上でも以下でもありません。
今回の記事の最後に、この本の構成を紹介しておきます。
第1章 セールスを成功に導く15の戦略
ダンが実際に使って大きな成果を上げてきた15の戦略。
第2章 あなたの顧客はどこにいるか
見込み客を見出し、引きつけ、見込み客との間に望ましい状況を作り出す。
第3章 すぐに結果を出せる人のセールス
セールスの対象の選別について。
第4章 何が、セールスを邪魔しているか
セールスピープルが自分たちを駄目にしている事柄。
第5章 「テイクアウェイ・セリング」その並外れた力の秘密
ダンにとって最高で、最も価値ある物議をかもす方法。
第1章「セールスを成功に導く15の戦略 1
ノーと言われることにタフになれ
1つ目の小見出しは、「若きダン・ケネディ、戦いの記録」です。
ダンが最初に雇われた出版会社で、彼は市場として見捨てられていた米中部州の地区担当者として赴任しました。顧客リストを頼りに挨拶に廻ると、どうしようもない前任者のおかげで罵詈雑言の嵐を浴びました。時にはものが飛んで来ました。売れもしない本を売りつけられ、金だけ払わされたという苦情です。確かに、本を飾るはずの回転棚が組み立てられず放置され、本も箱詰めのままホコリを被っていました。ダンの前任担当者がアフターフォローを全くしていなかったのです。こんな状況でしたが、ダンの給料は歩合制の部分が多くを占めていました。本が売れなくては給料が出ないのです。絶望的な状況でしたがダンは考えました。「何かを変えなくては、自分で変化を作り出さなくては」と。
2つ目の小見出しは、「ダン・ケネディが教えるセールスの真実その1 ものを売ってハイレベルの成功をおさめようと思うなら、マイナスの状況下でプラスの結果を出せるようにならなくてはいけない」です。
ダンの戦いの話にもどります。ダンのことばです。
「私は次のことを決めた。ないがしろにされていた怒れる顧客たちの店に私たちの商品を置いてもらい、さらに買ってもらうようにしなければならない、と。かなりマイナスの状況下で、プラスの結果を出さねばならなかった。嘘をつかれ、不便を感じ、売れない部品を送りつけられ、支払いを催促され、そうしなければ罵られてきた顧客たちに正面から向き合い、なんとか彼らに『水に流して』もらわねばならなかった。そのために、私はエゴを捨てなくてはならなかった。(中略) 仕事のすべてを通して、とにかく私はものを売るときに失敗する第一の理由はエゴであるということを発見した。思い上がったエゴを抱える人間や、自尊心がとても壊れやすい人間は(この2つは関連している)、拒否を拒絶と受けとめる。こういう人は、誰かにノーと言われると、自分が拒絶されたと受けとめてしまうのだ。
拒否と拒絶を混同すると、売るのが辛くなる。販売活動ではイエスよりもノーと言われる場合のほうが多いからである」。
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